私の主人は地元のお祭りに参加しています。
そのお祭りでは、“手筒花火” という
腕に抱えて花火を消費するという
とても危険な花火が登場します。
私からすれば、命の危険もある危険なお祭りに
なぜ、毎年参加するのか理解不明なのですが、
主人が言うにはそこには強烈な中毒性があるようです。
そこで今日は命の危険が伴うようなお祭りに
参加し続けることをさせる中毒性の正体を
紐解きながら、ビジネスにおいて、
リピーターを生み出すためのヒント
について考えてみたいと思います。
目次
手筒花火という花火がいかに危険か?
手筒花火とはここ愛知県の東三河地区発祥の伝統花火で、
ここ豊橋は “手筒花火発祥の地” と言われています。
その歴史はとても古く起源は450年前、
今川義元の時代だと言われています。
一年に一度のお祭りの際に、
五穀豊穣、無病息災を祈願して
ここ豊橋市では秋になると
そこらじゅうの神社で手筒花火が消費されます。

手筒花火は手作りで、竹筒に縄を巻いて、
その中に火薬を詰めて完成させますが、
なんとその火薬は奉揚する者が自ら詰めます。
一日限定の臨時花火師の資格を取り、
すべて自己責任の元で作り上げるわけです。
映像を見て頂くとお解り頂けると思いますが、
この花火はクライマックス時に、
一番底にしかけられた爆発する火薬に火が入ると
上下に爆発して終わります。

そんな手筒花火、手作りゆえ事故も起こります。
竹筒自体の問題や火薬の充填方法の不具合により、
たまに花火が消費途中で暴発してしまうことがあり、
その時には花火を消費している人が
大やけどを負ってしまうことがあります。
そんな事故があるので私としては主人には、
手筒花火は辞めてもらいたいというのが本音なのですが、
そんなことはまったく聞いてくれません。
それほどまでに中毒性があるようです。
手筒花火だけではないですよね。
日本各地には危険なお祭りは他にもたくさんあります。
だんじり祭りや長野あたりの崖から丸太の上に
人が乗って下るありえないお祭りもテレビで見たことがあります。
私からすれば、

と首をかしげるばかりなのですが、
主人からすると、

みたいなんですよ。
危険な祭りに参加している人に聞いた中毒性の正体
いまいち理解できない主人が語る
手筒花火の魅力ですが、
せっかく日本でも指折りの危険なお祭りに
参加している彼にその魅力について話してもらおうと思います。
単純にお祭りに参加していることが楽しい


ただ単純に楽しいからかな。
お祭りに参加すること自体が楽しい。花火を消費することも楽しいから。


楽しくなきゃやらないでしょ。
怖いけどそれ以上に得られる楽しさは
日常では得られないほどのものだから参加したくなる。


へんなものが分泌されているほど高揚するね。

チームで一つのことをやり遂げる中で得られる達成感


そうだね。仲間の存在かな。
手筒花火って絶対一人じゃ作れないんだよね。


そう^^。竹を竹やぶから切り出してきて、
筒の中を磨いて、縄を何重にも巻いて、
そしてお祭り前日の夜に火薬を詰める。
それらのことってチームみんなで行わないとできることじゃない。


手筒花火を消費する人だけでも50人くらい。
ただお祭りって手筒を揚げる人僕らだけじゃなく、
年寄りのご意見番だったり、奥様方ご家族だったり色々な人が関連しているね。


そう。下手をすると事故が起こるかもしれない。
でもみんなでしっかり準備して何事もなく終えられた時の
チームが一体になる感覚は凄い快感を伴うよ。


よさこい祭も同じお祭りだからね。
ただ、よさこい祭と違うのは命の危険が伴っているところ。
だからお祭り当日、お祭りが始まる時に、
町内の一番お偉いさんがメンバーに訓示をするんだけど、
毎年決まって、“くれぐれも事故のないように終えましょう”って言う^^


本当にそれだけ。
メンバー全員が無事に怪我なく花火を消費できれば
それで成り立つんだよ。このお祭りは。
チーム内で役割がちゃんとある


うーん。チーム内で自分の役割がちゃんとあることかな。
僕は僕なりのチームでの役割があって
みんなが僕を必要としてくれる。


僕は役員でもなんでもないペーペーだけど、
ペーペーにもそのチームでしっかりとしたポジションがあってそれを感じられる。
誰一人として欠けてもお祭りは成立しないし、
一人一人に役割を与えてくれる。
このこともお祭りに参加している魅力だよ。


いやそうじゃなく。どんどん変わってきている。
最初新人で入った時は新人の役割。
年数が上がってくると今度は新人を面倒を見る役割。
最近ではもう少し先のことを求められているかな?


PTAは義務的にそれをやらされるからでしょ。
僕らは義務的じゃない。チームを愛しているし自発的に
その役割を行っているから意味合いが全く違うよ。


メンバー全員が無事にお祭りを終えることが目的で、
手筒は命がかかっているから、誰もが自分のすべき役割をするし、
自然と一致団結できるようにできている。


命がかかってりゃ真剣にならざるを得ないよね。
僕は僕なりのチーム内での役割があって、
みんながそれを認めてくれているから
お祭りに出ないわけにいかないんだよね。


やるたびになんでこんな危険なことやってるんだろうって正直思うけど、
人が必要としてくれているっていうプラスの義務感が
僕をお祭りに突き動かす。


主人のお祭りの参加理由に見るコミュニティ運営のヒント
主人の語っていた危険なお祭りの中毒性、
- 単純に楽しい
- チームが一つの目標に向いていることで得られる達成感
- チーム内で役割があり自分を必要としてくれている
これらのことを感じるからこそ、
お祭りはやめられないようです。

生徒さんやお客さんが、そのビジネスに
参加してくれていることが、
“単純に楽しい”
と感じてもらえてなければリピートは
してくれないでしょうし、
“チームが一つの目標に向いていることで得られる達成感”
を感じてくれていれば、
そのビジネスに携わっていることに中毒性が発生します。
お祭りと違うのは習い事の教室などのビジネスでは、
一つの方向性とは、“講師の目指す世界” になることでしょうか?
生徒さんが講師の目指す未来の一つの方向に
向いて揃っているコミュニテイはやはり強いです。
そしてメンバーさんが、
“チーム内で役割があり自分を必要としてくれている”
と思ってくれているとしたら、
もうそのコミュニティから抜けることの方が
難しくなると思います。
危険なお祭りの中毒性の中に
コミュニティ運営のヒントがありますよね。
あなたのコミュニティではメンバーさんに
これらのことを思ってもらえていますでしょうか?
まとめ
危険なお祭りの中に潜む中毒性、
主人の話を聞いて少しわかったように思います。
そしてその中にビジネスにもしっかりと
通じるところが発見できたのは面白いところでした。
中毒性はマイナスに働くとあまり良くないですが、
プラスに働いた場合はその人の生活を良くし
生きやすくするエネルギーを持っています。
自分のビジネスにもプラスの中毒性をまとわせ、
多くの人がそうなれるようにしていきたいですね。
参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き有難うございました。